過去のメッセージ

2019年

2019年8月15日

プロセス安全管理(PSM)に取り組んでいるプラントが国内でも次第に増えていると感じています。「若い技術者のためのプロセス安全入門」をテキストにしたSCE・Netの講習会(7/8実施)にも多くの方が参加して下さいました。リスクに基づくプロセス安全(RBPS)の基本をお伝え出来たかと思います。

ところで、リスクアセスメントは国内でも以前から実施されていますが、二重のエラーは考えられていないことが多いと思います。しかし、大惨事となった事故事例を調べてみると多くの場合、二重のエラーが絡んでいます。全てのハザードに二重のエラーを考えていては、対策に掛かるコストは膨大になってしまうでしょうが、大惨事は避けなければなりません。そのためには、「どうしたら、大惨事を起こせるだろうか?」という「プロセス安全の敵の視点」で安全設計を見直して、そのシナリオを防ぐ対策を打つことが必要だと考えています。防護壁は内側からだけでなく、外側からも弱点をチェックすることが大切です。(CCPSのPSB担当者とのやり取りで、一部表現を変更しました。8月18日)

 

2019年7月19日

京都アニメーションが放火に遭い、悲惨な結果になっています。犠牲になられた方たちには心からお悔やみ申し上げます。報道を見ていて気になったのは、3階から屋上に通じる階段に多くの方が倒れていたことです。化学工場ではいつ火災が起きても避難できるように避難経路を考えた設計を行い、年に一度は避難訓練をしている所が多いと思います。しかし、まさかマンガ映画を作っている作業所が放火されるとは考えていなかったと思います。もし、避難訓練を実施していて、屋上に避難することが重要な避難経路であると知っていれば、対策を講ずることが出来ていたのではないかと思います。どのような職場であっても、「万一の場合の避難経路を確認すること」が大切だということを再認識させられる事件でした。

 

2019年7月10日

ハンセン病患者の家族の方たちに対する補償問題の訴訟で、政府が控訴しない決断をしたことは歓迎すべきことだと思います。問題は過去においてハンセン病患者を隔離する政策を決定したことと、感染力が弱く隔離の必要が無いと判明した後も隔離政策を続けたことにあると考えます。国家のトップマネージメントが素早く適切な判断を出来なかったことが患者と家族の悲劇を生んだと言えるでしょう。これはプラントの安全管理にも通じるところがあります。PSMでは安全管理に問題を認識した場合は直ぐに対応することが求められています。対応が遅ければ、その間に被害が発生するかもしれないからです。会社の経営者は自社のリスクを把握したら適切に判断して素早く対処すること。これが会社を持続させるための必須条件と言えるでしょう。

 

2019年6月6日

先日、スクールバスを待つ小学生や保護者が殺傷され、加害者もその場で自殺するという痛ましい事件がありました。加害者が引きこもりであったことが報道でクローズアップされたことに、引きこもりを支援する人たちからは、「引きこもりが犯罪の温床であるごとき印象を与えるものだ」との批判がありました。それはそれで、正しいと思いますが、心の闇を抱えて社会との接点を失った人とどのように接するべきかは一括りにはできない問題だろうと思います。安全の原点は、「自分も他人も安全でありたい」との願いです。自らを破壊して、他者も巻き添えにしようとする心の持ち主も、生まれたときは唯の赤子でした。その人が、どこでどのように心が壊れる事態に巻き込まれたかを見出さない限り、同様な事件を根絶するのは難しいと感じています。

 

2019年5月6日

ブックオフで見つけて茂木健一郎氏の「ひらめきの導火線」を読んでみました。最終章の「日本を新時代に導くために」という章では、日本と欧米を比較している部分がありました。その一節に「アメリカでは、個人と組織の関係はむしろ自由に関係を結んだり解消したりする affiliation に近い」と書かれている部分があります。ある意味では、茂木氏の言う通り、これはアメリカの持つアドバンテージで、自由な発想でいろいろなことに挑戦できる社会基盤だと言えるでしょう。しかし、プロセス安全の観点からすれば、そうとも言えません。安全文化を身に付けさせるために従業員を何年もかけて教育しているのですから、そうコロコロと辞めてもらっては困ります。その意味では、日本の終身雇用の様な社会システムの方が安全文化構築の面ではアドバンテージがあると言えるでしょう。

 

2019年4月17日

私たちが子どもの頃、医者や学校の先生はインテリジェンスの象徴のようなもので、多くの人から尊敬される職業でした。しかし、何時ごろからか、学校の先生が「でもしか先生」と呼ばれ、モンスターペアレンツの餌食になり、残業からも抜け出せない過酷な職業になってしまいました。医者も若い勤務医の残業は当たり前となり、患者よりも自分の健康を考えなければならないひどい状態だと聞いています。これを社会が病んでいる状態だと感じるのは私だけでしょうか? 医師や教育者が社会にとって重要な存在であることは間違いありません。彼らが快適に仕事を行うことの出来る社会体制を確立することは、この国にとって急務だと考えます。

 

2019年3月7日

昨年の日経サイエンス6月号に「勝つための議論」の落とし穴、という記事が掲載されています。その中に「客観主義者」と「相対主義者」という言葉が出てきます。客観主義者は倫理的・政治的な問題についても数学と同様に客観的な正解があると考える人で、相対主義者とはそうでない人を指します。興味深いことは記事のタイトルにある様に、「勝つための議論」即ち相手を打ち負かそうとして議論を行うことで、その人はより客観主義に近い考えを持つようになることが分かったということです。つまり、「勝つための議論」をしていると自分は正しくて、相手は間違っているという論理を展開することになり、相手から学ぶ機会を失うことになると言うことです。これは何かについて議論をしようとする時に気を付けなければならない重要なポイントだと思います。

 

2019年2月1日

昨日は化学工学会安全部会の「新PSMガイドライン作成WG」のテクニカルレポート発刊記念講演を聞きに東京大学の山上会館に行ってきました。仲先生ご指導の下、私もWGの一員として微力ながらテクニカルレポート作成に協力させて頂いたものです。ここで日本の企業3社のPSMの取り組みに関する報告があり、真剣にPSMを実施している様子が分かりました。この動きが、他の日本企業にも広がることを願っています。

ところで、後援会後の交流会でDow社の方と話をする機会を得て、CCPSがRAST(Risk Assessment Screening Tool)というエクセルマクロベースのプログラムを無償で提供していることを知りました。このソフトは条件を入力して実行すると自動的にリスクを特定して分析してくれるとのことでした。早速、ダウンロードして試してみようと思います。しかし、CRW4(Chemical Reaction Worksheet)に続き、この様なソフトウェアをCCPSが無償で提供できることに驚かざるを得ません。CSBと並んで、米国の底力を思い知らされました。

 

2019年1月4日

明けましておめでとうございます。

昨年はCCPS書籍の翻訳事業と安全コンサルティングで充実した一年となりました。特に「若い技術者のためのプロセス安全入門」は化学工学会安全部会が翻訳した「リスクに基づくプロセス安全ガイドライン」と同時に発行されました。RBPS(RiskBased Process Safety)を日本語で読むことが出来る書籍2冊が揃ったことに意義があると考えています。OSHA PSMを更に進化させたRBPSがより多くの企業のプロセス安全に役立つことを願って止みません。

 

2018年

2018年11月8日

 

CCPSが発行しているProcess Safety Beacon (PSB)の11月号が公表されました。今回は株式会社日本触媒の姫路工場におけるアクリル酸タンク爆発事故が事例になっています。これは安全研究会がCCPSから依頼されて元の原稿を作成したもので、日本触媒の全面的な協力のおかげで作成されました。一般的に考えると、自社の事故事例を世界中の人に見られることには抵抗感があってしかるべきだと思います。しかし、日本触媒は快く承諾してくださいました。プロセス安全の世界では、他社の事例も含めて過去の事故から学ぶことが強く奨励されています。この理念を理解して、自社事例の掲載を承諾された日本触媒の見識の高さを高く評価すると共に、資料提供などでご協力いただきました日本触媒の皆様に心より感謝いたします。

 

2018年10月7日

 

9月はPSM監査の実施やコンサルティングに忙殺されて、メッセージのアップデートが出来ませんでした。

現在、安全研究会では、CCPSの"Introduction to Process Safety for Undergraduates and Engineers"の翻訳を進めており、校正が進んでいるところです。田村先生に査読して頂いて、丸善出版から年内に上梓する予定です。ところで、この本が解説しているプロセス安全はCCPSが開発したRBPS(Risk based Process Safety)です。アメリカではOSHA PSM が特定化学物質を指定量以上扱う事業者に義務付けられていますが、このRBPSはこれをさらに発展させたものとなっています。OSHA PSMがPSMのあるべき姿を表わした設計図のような物とすると、RBPSはそのPSMを如何に運用するかを表わした運転マニュアルのような物と言えるかもしれません。PSM自体の設計図と手順書が用意されたとすると、次は「それでも巧く行かない場合」の対応策といったところでしょうか? アメリカのPSMは休むことなく発展していると感じています。

 

2018年8月16日

 

事故調査チームがその原因分析をする際にFTAを利用することをお勧めしていますが、その利点をもう一度考えてみましょう。事故の原因を見出す方法としては、「3M」「4M」「フィッシュボーン」なども挙げられますが、やはり「なぜなぜ分析」が最も一般に用いられています。安全研修などで課題に取り組んで頂きますと、これらのどの方法で原因分析をしても、受講者チームは与えられた情報の範囲の中に原因を見出そうとし、根本原因に到達できないケースが殆どです。それに対してFTAを使用した場合は、多くのチームがより多くの可能性に言及して、与えられていない情報の中で何が重要かを指摘することに成功しています。本質的に「なぜなぜ分析」と「FTA」は事象の直接的な要因を追い続けるという意味で同じ筈ですが、「FTA」ではチャートを作成することで視野が広げられると考えられます。大きな事故の報告書で原因究明をしっかりと行っているのもでは事実確認のために実験を行っていることが少なくありません。何が足りない情報であるかを把握できているからこそ、何を実験すべきかが分かる訳です。事故の原因分析には、是非FTAを活用して頂きたいと考えております。

 

2018年7月12日

 

今日届いたAIChEの会報誌CEPにモチベーションに関する記事があり、興味があったのでネットでも調べてみました。その中でBrendan Burchard氏の “Greatness belongs to those who have mastered the ability to focus relentlessly on their ambition and act decisively towards them.”(偉大さは、自らの野心に絶え間なく集中し、それに向かって邁進する能力を習得した人達に宿している) という言葉に出会いました。確かに偉大な人達は、その様な人達だろうと思います。私たちは何かに集中している時、前頭前野と呼ばれる大脳の部分が働いていることが分かっています。しかし、この部分は怠け者で、長続きしないものだそうです。そう言えば、大学時代の恩師、村井資長先生から頂いた色紙の言葉は「有志者事竟成」でした。志を持ち続けることが大切だという事を再認識致しました。

2018年6月26日

 

皆さんは「見えないゴリラ」(Invisible Gorilla)についてご存知でしょうか? これは、AIChE(米国化学工学会)の会誌CEP(Chemical Engineering Progress)の2014年7月号に紹介されており、私もその8月にこのカラムで紹介したものです。何かに集中していると、身の回りで起きていることに気付かない可能性が少なくないことを示したもので、安全の観点でも極めて重要なことです。最近の脳科学で、私たちの脳は通常は脳幹と呼ばれる古い脳(脳の中心部)で無意識に周辺のことに気付いていますが、「見えないゴリラ」の実験では集中して行わなければならないタスク「パスの回数を数える」を与えることで前頭前野と呼ばれる大脳の前の方が忙しくなり、自然に気付く筈のことに気付かなくなってしまうのだ、ということが分かって来ています。従来も「オペレータに不用意に話しかけてはならない」とされていますが、プラントの運転、特に制御システムのマンマシーン・インターフェースの設計では、これらのことを充分に考慮することが大切だと思います。

2018年5月24日

 

アメリカの化学工学会のCCPSが出版した図書"Introduction to Process Safety for Undergraduates and Engineers"の翻訳をSCE-Net安全研究会で行い、ようやく一通りの訳を完成しました。この本はCCPSがOSHAのPSM(Process Safety Management)を更に発展させる形で提案している"Risk Based Process Safety"(RBPS) について解説しているものです。この本に初めて出合った時に、これは日本の化学産業や石油業界のプラントで是非参考にして貰いたい内容だと思い、Wileyから翻訳の同意を取り付けて作業を開始したものです。この秋ごろに丸善出版さんから上梓される予定です。その接は、書店で手に取って御覧頂ければと思います。

2018年4月12日

 

アメリカの化学工学会(AIChE)の下部組織CCPS(Center for Chemical Process Safety)の文章を翻訳することが多々あります。しばしば、日本語の単語ではピッタリとした訳が見つからないことがあります。例えば、"practice"という単語ですが、"good practice"、"work practice"などが頻繁に出てきますが、なかなか良い訳が見つかりません。"good practice is to do...."などは「~するのが良い」などと逃げることもあります。「良好慣行」と訳されることもありますが、日本語としてどの程度なじんでいるかは疑問もあります。日本語に"practice"という概念が定着してないということです。"hazard"と"risk"はどちらも「危険性」と訳されることが多いのですが、英語では明確に使い分けています。私たちが日常生活で「ハザード」「リスク」と使い分けることが普通になる日が早く来ると良いと思います。

2018年3月14日

 

NHKの朝ドラ「笑ろてんか」も終盤に近付いています。この「笑い」には人の脳に活力を与える力があると思います。講演などで話題に合ったジョークを言うことが出来たらもっと興味を持って聞いて頂けるのではないかと思うのですが、なかなか良いジョークを思いつきません。その点、プロのコメディアンは大したものだと思います。昔、アメリカに留学していた頃、深夜のジョーク番組があり、その日の出来事をネタにジョークを連発するコメディアンがいました。語学力の低い私には判らないジョークも多かったのですが、僅かな事柄を捉えてジョークを話し続ける能力には感服しました。もし誰かが仕事でミスを犯した時に、適切なジョークを言えると、凍り付いた脳が復活して事故防止にも繋がるような気がします。まだ、誰も怪我をしていないなら、ちょっとしたミスは笑いごとで済ますのも良いのではないでしょうか?

2018年2月15日

昨年末よりイプロスのホームページ Tech Note に投稿依頼を頂きまして、この度5回シリーズの第1回が公開されました。「統計からひもとく労働災害」では「転倒事故」と「墜落・転落事故」が常に件数として多いこと、「エルゴノミクス」と呼ばれる動作の反動・無理な動作が2016年の統計データでは多いことを示し、その対策の考え方を解説致しました。「個別に分析するべき事故とは」「安全対策と人材教育」「チェックリストのカスタマイズ」についても私見を述べさせて頂きました。詳細はイプロスのホームページ Tech Noteで「工場安全対策の基礎知識1 」を検索して頂ければご覧いただけます。

 

2018年1月3日

新年、おめでとうございます。昨年は日本を代表する様な大企業で品質検査が正しく実施されていなかったなど、消費者の信頼が損なわれる内容の報道に接して驚かされました。私たちが何か機械・装置などを使用する際に、事故にならない為の条件は二つです。一つはその機械・装置が安全であること。つまり安全に設計されており、設計通りに製作されていること。もう一つはそれを使用する私たちがそれを安全に操作することです。機械・装置の品質検査は設計通りに製作されたことを保証するものですから、それが正しく行われなければ、その機械・装置は安全である保障がないことになります。これからは、適切な品質管理が行われるものと期待します。この様に、不適切な作業が当たり前になることを安全の世界では「逸脱の定常化」と呼んでいます。私たち日本人のほとんどが車を運転している時に、横断歩道で渡ろうとしている人を見ても停車しないのは「逸脱の定常化」の一つです。私も車を運転する者の一人として世界標準に合った運転を心がけたいと思います。

2017年

2017年12月4日

事故が発生すると、それが引き金となって次々と事故が起きてしまうことが少なくありません。大きな火災の場合、最初は小さな火事から始まることが少なくありません。勿論、爆発など最初から大きな火災から始まるものもありますが、小さく始まったものであれば、大きくなる前に消し止めることが可能でしょう。今回、お話したいのは初期消火のことではありません。最初に事故が起きてしまった時の人の行動です。将棋の羽生善治さんが「直感力」という著書の中で「対局中に反省してはならない」という意味のことを言われています。自分が何かミスを犯してしまった時に、人はほぼ本能的に「それは無かったことにしたい」と思うものです。そしてなかったことにする為の行動をとってしまうことがあります。交通事故を起こした人が逃げてしまうのも、この一種だと思います。次に同じ過ちを繰り返さない為に反省することは大切ですが、それは事態が収拾してから行うべきことです。ミスを犯した場合、それが次の事故の引き金とならない様に最善の方法を考えることが大切です。そのためには、日頃からどの様なミスが起こり得るのかを予測して、それがどの様な事故に繋がる可能性があるかを考えておくことが必要だと考えています。

2017年11月2日

事故をFTAで分析していると、ほぼ確実に人間の失敗即ちヒューマンエラーが含まれています。これを認知・判断・伝達・実行のどこかのフェーズで失敗したことで発生すると説明して来ました。これら全てのヒューマンエラーはその人の脳の中で発生しています。認知で重要な要素として三次元空間の認識があります。今プロセスの何処で何がどの様になっているかを心の目で見ることが出来ること。これは化学プロセスの安全にとって極めて重要です。DCSや計器の指示値の情報から何を想像できるのかが、オペレータをはじめプロセスの運転に関わる人の能力を左右します。三次元空間の認識はプラントの構造やレイアウトを理解する上でも大切ですが、機器や配管の中がどうなっているかを想像する為にも重要で、この能力を取得するには相当な訓練を必要とします。この空間を認知する脳の部位が海馬にあることがオキーフ博士によって見いだされ、ノーベル賞を授与されたのが2014年でした。まだまだ、未知の分野ですが、脳の働きの研究が安全に繋がる日はそれほど遠くないと考えています。

2017年10月11日

化学工学会 SCE-Net 安全研究会では毎月PSB(Process Safety Beacon)を和訳していることを前回のメッセージで紹介しました。この度、このボランティア活動に対して、AIChEとCCPSから感謝状と楯が贈られました。これからもPSBの和訳は勿論のこと、CCPSの書籍"Introduction to Process Safety for Undergraduates and Engineers"の和訳に取り組むなど、我が国の化学プロセス安全に微力ながら貢献を続けたいと願っております。

 

2017年9月15日

9月12日の 4th CCPS Global Summit for Process Safety at Okayama に参加して、CSBのboard member の一人の方に話を聞くことが出来ました。トランプ大統領はCSBの予算をカットする提案を出しましたが、Congress がこれを認めず、CSBの予算は確保できたとのことでした。従いまして、CSB議長からの声明は削除致しました。

 

2017年9月7日

化学工学会 SCE-Net 安全研究会では毎月AIChE(米国化学工学会)の下部組織CCPS(Center for Chemical Process Safety)が発行しているPSB(Process Safety Beacon)を和訳して、月刊誌「化学装置」とSCE-Netのホームページに掲載しています。この事業は2006年4月号から行ってきましたが、この度化学業界の皆様から、「これ以前のPSBも和訳して欲しい」とのご要望がありましたので、メンバーで手分けをしてPSB第1号の2001年11月号から2006年3月号まで全てを和訳致しました。PSBは「事例に学ぶ化学プロセス安全」の基になった安全情報で、広く世界の化学業界や石油業界で読まれています。日本の皆様にも是非、活用して頂きたいと思います。

2017年8月22日

来月、12日と13日に岡山コンベンションセンターで第4回CCPS Global Summit on Process Safety が開催されます。化学工学会SCE-Net安全研究会もポスターセッションで当研究会のこれまでの活動でプロセス安全に貢献してきた実績と昨年より始めた安全講習についてプレゼンテーションを行い、SCE-Netの今後の取り組みについても解説致します。SCE-Netでは、現在Web会議システムの導入を検討中で、将来は東京圏以外のメンバーも活動に関与出来る様にしていきたいと考えています。SCE-Netに興味のある方は、是非ご連絡下さい。

2017年7月16日

私の所属している化学工学会SCE-Net安全研究会では、毎月米国の化学工学会に相当するAIChEの下部組織CCPS(Center for Chemical Process Safety)が発行しているPSB(Process Safety Beacon)の和訳とそのテーマに沿った談話室を作成して広く皆様に活用して頂いています。現在は、これに加えて安全研究会が和訳を始めた2006年4月以前のバックナンバーをメンバーで手分けをして和訳に取り組んでいます。

また、2015年3月に丸善から発行した「事例に学ぶ化学安全」を教本とした安全講習会を9月1日に実施の予定です。化学工学会SCE-Netに対する皆様のご理解とご支援を賜りたいと考えております。宜しくお願い致します。  

2017年6月10日

前回は人間の視覚について書きました。今回は嗅覚についてお話したいと思います。東急リバブルのテレビコマーシャルで「象は犬の2倍鼻が利くって知ってた?」というセリフがありましたね。嗅覚は鼻の奥にある嗅覚受容体が空気中の化学物質に反応して脳に信号を送ることによって感知されます。人間はこの嗅覚受容体の遺伝子を396個もっていますが、犬は811個、アフリカゾウは1948個だそうです。この事実を元に例のセリフが作られたのでしょうか? しかし、かぎ分けられる化学物質の種類はこの嗅覚受容体が一対一で反応するのではなく、複数の受容体が同時に反応することがあるので、単純には数えられません。ここで、私が注目しているのは、嗅盲の存在です。すべての人間が同じ物質の匂いを同じように感じているのではないのです。これだけ多くの遺伝子があると働いていない遺伝子がかなり出てきます。猛毒のシアン化水素は独特なアーモンド臭がするとされていますが、実に10人に一人がこの匂いに対して嗅盲だそうです。プラント内で危険な物質の匂いを感知できなければ、漏洩の認知が遅れるおそれもあります。運転員などプラント内に常駐して作業をする人の場合、そこで扱う危険な化学物質に対して嗅盲でないことを確認することも大切だと思います。

2017年5月 4日

人の行動が成功するには、認知・判断・伝達・実行の全てが成功した場合であることは今までに何度も述べてきました。認知の部分でのエラーが少なくないことは誰もが感じていることだと思います。私たちは見えている物は全て存在し、見えていない物は存在しないと感じてしまいます。しかし、私たちは存在する物が全て見えているとは限りません。それは私たちの脳と深い関係があります。下の図の中央部に白い正三角形が見えるでしょう。しかし、この絵に描かれているのは3つのパックマンが中央に向けて口を開けているだけです。つまり、私たちには存在しないものが見えている訳です。私たちはプラントの設計をする際に、この様な錯視が事故の原因とならない様にも注意しなければなりません。しかし、その前にどの様な錯視が存在するかを知ることが先ですね。

 

2017年4月 7日

北朝鮮のミサイル発射や米国の巡航ミサイルによるシリア軍攻撃などと、不穏な動きが出ています。当研究所は主に化学プロセスを扱うプラントを対象として、その安全向上を目指しているものですが、人の命の大切さに変わりはありません。これらは、認知・判断・伝達・実行という観点から見れば、敵対する者に対しては、その命を奪っても構わないという「判断」で行われているものです。そして、それは「殺さなければ、殺される」という認識によるものと思われます。これと比べると化学プラントの安全はずっと簡単だと思います。なぜなら、「誰も怪我をしたり、死んで欲しくない」ということが、共通の認識になっているからです。

2017年3月 16日

3月8日の化学工学会の年会も無事に終了しました。SCE・Netの「安全指導者育成のための講習会」に興味を持って足を止めて頂いた方たちには心から御礼申し上げます。この講習会は、とかく一方通行になりがちな安全教育を何とかして双方向のコミュニケーションを取ることができ、受講者の身に付くものにしたいという現場の安全教育者の方たちの希望に応えるためにデザインされたものです。そのためにSCE・Netが提唱しているのが、現場の技術者を安全教育者として育てることです。既に一部の大手化学会社では、安全教育のファシリテーターを育てることに動き始めています。今年は9月1日にこの講習会を実施する予定です。この講習会を通じて、少しでも現場の安全に寄与することが出来ればと考えております。

 

2017年2月 28日

化学工学会の年会が今年も3月6日から8日にかけて、芝浦工業大学の豊洲キャンパスで行われます。

8日のポスターセッションでは私もSCE・Netのメンバーとして「安全教育を実施する人のための講習会」と題して発表を行います。従来は安全教育に直接携わって来なかったエンジニアなども教育する側に立って安全教育に係わることで、社内のコミュニケーションが密になり、安全文化構築の一助になることに賛同して頂ければと思っております。昨年、SCE・Netが化学工学会関東支部と協力して実施した安全講習はその観点で実施したもので、「事例に学ぶ化学プロセス安全」を教本として、多くの教育手法を提供することが出来ました。興味のある方は、是非8日の16:00-17:20 Y352 会場に足をお運びください。

 

2017年2月 3日

今日は節分で、スーパーやコンビニでは恵方巻を食べる日だとして宣伝していますが、以前は関東にはない習慣でした。これもバレンタインデーと同様、小売業者が意図的にはやらせているものです。そう分かってはいても、皆が節分に恵方巻を食べているのだと思うと、食べたくなってしまうのは、集団心理です。安全も皆が安全に作業をしている職場では、新人も自ずと安全に作業をしようとするものです。一方、皆が安全に関心を示さない職場では、新人に安全意識は芽生えません。一口に職場の安全文化と呼ばれていますが、皆が安全に関心を持って行動を行う様になるためには地道な努力が欠かせません。自分や職場の仲間が怪我をしたり、死んでも構わないと思っている人などいません。つい忘れてしまう安全を忘れない様にするには、お互いのコミュニケーションが大切です。相手の身を案じて声掛けをしていきましょう。

2017年1月 9日

明けましておめでとうございます。いよいよ、ドナルド・トランプ氏の大統領就任が近づいてきました。昨今、度々テレビで米国の白人労働者が職を失い、苦しい生活を余儀なくさせられている映像が流れています。堅実な製造業で働く人達は職を失い、何も生産しないウォールストリートの人達が巨万の富を手にする光景を見ていると私が留学していた1980年頃とは変わってしまったと感じざるを得ません。多くの産業がメキシコなど関税の掛らない国に工場を移してしまったことも一因でしょう。白人労働者の多くがトランプ氏に期待したのもやむを得ないと思います。大切なのはこれからです。本当に人々の暮らしを豊かに出来るのは金融ではなく、製造業です。トランプ氏のやり方には問題があると思いますが、米国が製造業に力を入れることは決して悪いことではないと思います。その時、いかに安全な工場を建設し、安全に生産し、安全を維持していくのか。プロセス産業ではPSM(Process Safety Management)が大いに役に立つことと期待しています。

 

2016年

2016年12月 24日

新入社員を自殺に追い込んだとして大手広告会社が問題となっています。報道では会社の体制、労働時間などに焦点が当てられている様ですが、私は社内に「いじめ」があっただろうと想像しています。上司を含め、周囲の人達はそれに気付かなかったとは考えられません。「こころの科学184」に和久田学氏の「いじめ加害者のシンキング・エラー」という記事があります。パワーハラスメントという言葉もありますが、「いじめ」はパワーを持った者からのみとは限りません。もし、あの新入社員に心から寄り添ってくれる人が一人でもいたら自殺はしなかったのではないでしょうか。見て見ぬふりをすることを含めて「いじめ」に加担するというエラー行動は「判断」のシンキング・エラーです。和久田氏の「いじめは被害者のみでなく、加害者の心も傷つける」という観点は重要です。安全管理の究極の目標は、そこで働く全ての人が安全に安心して活躍できる環境を提供することです。安全教育に「いじめ」の問題を取り上げることも考えて良いでしょう。

 

2016年12月 2日

今朝の新聞の第一面に「カジノ法案 衆院委可決へ」の見出しが目につきました。観光立国を目指す政府がカジノを作ることで海外の客を呼び込み、お金を落として貰うことを狙った政策でしょう。この政策の是非は別として、人はなぜカジノに足を運ぶのでしょうか? 冷静に考えれば、カジノでは胴元は必ず儲かる仕組みとなっているので、ギャンブルをする側の人たちに入るお金の期待値は「マイナスとなる」ことが明白です。しかし、「自分だけは特別だ」「自分は賭け事に長けている」といった妄想を持つとギャンブルの罠に掛かると考えられます。このような妄想は作業での安全認識でも時折見られます。「自分はベテランだから大丈夫だ」などの言葉が聞かれたら要注意です。安全教育で何が危険かを教えても判断を誤ってしまう可能性が高いからです。安全教育では知識を教えるだけではなく、正しく判断できるようにすることが大切です。

 

2016年11月10日

昨日、アメリカの次期大統領にドナルド・トランプ氏が選ばれました。まずは、トランプ氏には「おめでとう」と申し上げておきましょう。注目すべきことは彼の選挙戦中の言動です。イスラム教徒、少数民族、女性に対して差別的な言葉を吐いていたにも拘わらず、多くのアメリカ国民が彼を選んだということです。私はこれは本能が理性に勝ったものと考えています。冷静に考えれば、差別的な言動は政治家として相応しくないことは明白でしょう。国家、いや世界のリーダーたるアメリカ大統領に差別される側の人にしてみれば、とんでもない人物だと言えます。しかし、投票した人たちの多くが彼を選んだのは、建前は「差別は良くない」だが、内心のどこかに彼に共感するものを持っていたのでしょう。今後、トランプ氏が理性に基づいた政治を行う否かは現時点では不明です。しかし、安全という観点からは本能に流される政治は危険だと言わざるを得ません。世界のリーダーに相応しい行動を期待したいと思います。

 

2016年10月27日

最近は日本でも米国のPSM(Process Safety Management)に関心を持つ人が増えている様です。特に大きな企業では豊富な人材と経済力で安全に力を入れることが可能であり、企業のトップが安全を重視している場合はかなり実力を付けてきていると思われます。PSMを実施していれば事故が起こらないというわけではありませんが、安全を管理するシステムとしてストラクチャーが出来ており、PSMは大いに参考にすべきものでしょう。化学工学会SCE・Net安全研究会ではAIChE(米国の化学工学会)の下部組織CCPS(The Center for Chemical Process Safety)がPSB(The Process Safety Beacon)を毎月和訳し、そのテーマについてメンバーが話し合ったことを「安全談話室」としてまとめて月刊誌「化学装置」やSCE・Netのホームページに掲載しています。11月号はPSB発行15周年でPSBが現場の安全に役立つことを目指していることなどが掲載される予定です。これらの資料は手軽に入手できますので、化学に限らず多くの装置産業の現場の方たちに役立ててほしいと願っております。

 

2016年9月30日

これまで人の行動が成功するには、「認知」「判断」「伝達」「実行」の全てが成功裏に終わることだと説明して参りました。これらのほとんどが脳の活動と深く係っています。脳に関する本などから得た知識では、じっくりと考える場合は前頭前野と言われる脳の前の部分、おでこの上あたりの脳が活発に活動しているようです。それに対して飛来するものを感じて瞼を閉じるのは脳幹による反射で、一々考えて目をつぶっている訳ではありません。また、人の感情は中脳が司っている様です。つまり、人間の行動は全てが大脳による「判断」によるものではないということです。私は安全教育の難しさはここにあると考えています。つまり、頭で分かっていても、その通りに行動できるとは限らないということです。訓練には、知識としてだけでなく、体で覚える部分もあります。訓練という経験を通じて、自転車を乗りこなせるようになる様に、安全教育でも体感できる部分が重要だと考えています。

 

2016年8月19日

「実験医学」2016 vol.34 No.11 (2016年7月号)は「記憶 その瞬間に脳で何がおきているのか?」の特集をしており、「記憶」に興味があったので購入してみました。その中でも久恒辰博氏の「記憶能力が低下するメカニズムとは何か?」ではアルツハイマー病や高齢者研究にも言及しており、イミダゾールジペプチドを1日1グラムを摂取することで記憶機能が優位に改善したとあります。人の行動を「認知」「判断」「伝達」「実行」に分類した場合、「記憶」は「伝達」即ち正しく判断したことを「実行」に繋げるための重要な要素です。イミダゾールジペプチドは脳内炎症を抑えることで記憶機能低下を改善する様です。イミダゾールジペプチドは疲労に効くサプリとしても販売されていますが、鶏胸肉に多く含まれているとのことです。これからは積極的に鶏肉を摂取したいと考えております。

 

2016年7月23日

任天堂のポケモンGoというゲームが話題になっています。先行して公開された欧米ではゲームをしながら歩いていた人が交通事故に遭ったり、崖から転落したりと、早速様々な事故が報告されています。日本でも危なっかしい人がいたという報道もありました。現実の世界にゲームが入り込んだようなゲームソフトでプレーしている人が自分の状況を正しく認知出来ない環境を作り出しているのだと思います。人間の冷静な判断が脳の前頭前野で行われていることが分かっていますが、そこは同時に多くのことを処理するのが苦手です。それは工場で操作しているオペレータにとっても同じことで、状況の正しい認知の為には、外乱を減らす工夫が大切だと考えています。

 

2016年6月25日

イギリスが国民投票の結果、EUから離脱することになりました。アメリカではトランプ氏が大統領候補として多くの国民の支持を受けている様です。何れも、全体の利益よりも自分たちの利益を優先する判断に基づくものと感じられますが、実は人間は誰でもここに迷いがあるのです。全体の利益を考える場合、人の脳では前頭前野と呼ばれる額の辺りの大脳が冷静な判断を行います。これに対して、脳幹と呼ばれる脳の一番深い部分は自己を防衛する本能を司っていて、人は冷静な判断が出来ないと脳幹に判断を委ねてしまうのです。時に本能は生命体を守るために反射的な行動をさせてくれますが、複雑な状況判断には弱く詐欺師に付け込まれるなどの隙を作ります。安全でも、無意識に出た行動が大きな事故の原因になっていることが度々あります。如何に冷静な判断のできる状態を維持することが大切か、日常生活でも注意したいものです。さて、日本国民は次の参議院選挙で前頭前野を働かせることができるのか、注意深く見守りたいと思います。

 

2016年6月5日

北海道の山林で行方不明となった少年が無事に発見されたニュースで、これまで発見できなかったのは少年のいた場所が捜索の想定外の場所であった為と報道されました。この「想定外」という言葉は、福島第一原発の事故以来、散々耳にした言葉です。ジャーナリストの柳田邦男氏もこの言葉の危険性について本を出されていますが、私もその通りだと感じています。「想定外だから仕方がない」と片付けてしまうと、何の教訓も得られません。本当に大切なことは、なぜ捜索の対象に入れなかったのかを分析して、今後同様な事故が発生した場合に備えて役立てることです。このケースでは、少年が道路を徒歩で移動することを除外して、遺体を探す体制でいたのではないかと思われます。捜索隊のあり方を再考する良い機会として、事故を分析して、経験を生かして貰いたいと思います。

2016年4月19日

昨年の9月末から経済産業省のプロジェクト「平成27年度石油精製業保安対策事業 高圧ガスの危険性評価のための調査研究 報告書」を受託した国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)に協力して、安全研究会のメンバーが中心となって「現場に役立つチェックポイント」の抽出作業をお手伝いして参りました。この度、経産省のホームページにその報告書が掲載されました。http://www.meti.go.jp/topic/data/e90622aj.htmlの「平成27年度分の掲載一覧」をクリックし、開いたpdfファイルの「管理番号000079」の行の右端のURLをクリックすると報告書を見ることができます。チェックポイント集を有効に活用できるシステムは7月頃に公表されるようです。興味のある方は、是非ご覧ください。

2016年3月19日

昨日、化学工学会SCE・Netの安全研究会で新しく入会された方にリスクマネージメントのプレゼンテーションをして頂きました。その中で興味深かった点は、欧米人は左脳で論理を重んじた考え方をするのに対して日本人は右脳でビジュアルな考え方をするというものでした。安全に対する取り組みとして、日本の企業が現場の注意力や精神論に頼る傾向があることは、右脳に依存していることによるそうです。一方、欧米人は論理的にシステムを構築するのは得意だが、現場がシステムの要求に応えきれていないために、事故が起きている様に思われます。最終的に安全管理システムを上手に運用する為には、右脳、左脳の両方を使うことが必要ということで、意見が一致しました。さて、我々日本人が、もっと右脳を活性化するには、どうするべきか? 論理的思考に慣れ親しむためにも、事故分析でFTAを使ってみては、如何でしょうか?

2016年1月31日

軽井沢でスキーバスが転落して、15名の方たちが命を落とされて半月が過ぎました。死亡されたのは乗務員2名を除くと全て学生でした。この事故で印象的だったことは死亡された学生の遺族の方が仰った「過度の利益追求、安全の軽視などの社会問題」が原因だったのではないかとの指摘でした。私も同感です。今の日本は物質的には豊かになっているのでしょうが、決して心が豊かとは言えないと思います。仕事に見合う適正な報酬を得ることは、その人の暮らしを支える大切な収入ですが、過度に利益追求をすればどこかに歪が出てしまうでしょう。バス会社やツアー会社が安全コストを削って低価格を実現したのであれば、許されないことです。この事故を戒めとして、多くの会社経営者が会社を社会を豊かにするのための、そして人々の心を豊かにするためのゴーイングコンサーンとして見直して頂くことを願っています。

 

2016年1月3日

新年、明けましておめでとうございます。

昨年は化学工学会SCE-Netの化学工学入門講座で蒸留を担当したことを皮切りに、埼玉工業大学後期の化学工学の授業を担当させて頂いたり、産総研のプロジェクトのお手伝いをさせて頂いたりしました。これらは今年も引き続きさせて頂きたいと考えております。

昨年を振り返ると、IS(イスラム国)が世界の安全に対して刃を突き付けた印象が強くあります。彼らの行動は私たちの常識から大きく外れており、決して許される行動ではないと思いますが、私たちも彼らをそこまで追い詰めてしまった責任があるのではないかと考えています。今の世の中は、全ての価値をお金で評価してしまっていて、人の心の価値を忘れてしまっているかの様です。貧困にあえぐ人たちが努力しても報われない社会では、人の心は荒んでしまうと思います。児童の貧困が問題となっているこの時代は決して豊かな時代とは言えないでしょう。工場の安全を願う根底に「働く仲間に怪我をさせたくない、死なせたくない」ということがある様に、私たちは社会の安全を「人の心に寄り添う」ことで目指す必要があると感じています。今年は「人の心」を大切に行動したいと考えております。

 

2015年

2015年12月15日

パリ同時多発テロが起きてから1か月が経過しました。平和に暮らしている市民の安全を脅かす卑劣な行為だと言ってよいでしょう。欧米諸国はロシアも含めてイスラム国への空爆を強化し、おそらくはテロの犠牲者以上の死者が出ていると想像されます。それは憎しみを再生産して、次のテロの口実となると心配する人も少なくありません。安全が大切だと言うのは、それが人の心を大切にすることだからです。自分だけ安全であればよいというのではなく、他人の安全も大切です。私たちは知らぬ間に他人の心を傷つけて、恨みを買っているのかもしれません。以前、"Managing from Heart"という本を読んで思ったのですが、私たちはそれぞれが心を持った人間であり、それに気遣うことのできる社会こそが安全の基本だということです。

2015年11月11日

今朝、テレビでMRJ初飛行の映像を見る機会がありました。日本は戦後飛行機の製造を禁止され、50年程前にはYS11というターボプロップエンジン機を製造したものの、採算が取れずに撤退したと聞きます。そして今回、ジェット旅客機の試験飛行が長いブランクの後に行われました。つまり、日本は長い間自作の飛行機を飛ばしたことがなかったということです。海外で勉強や経験を積んだ人もいたかもしれませんが、多くの関係者にとっては初めてのことだったと想像されます。つまり、乏しい経験の中でスタッフ達は安全に飛行機を飛ばして見せたのです。この背後にどれほど多くの人たちが安全に細心の注意を払って仕事をしてきたものだろうかと思い、感動した瞬間でした。

2015年10月25日

このところ、杭打工事不良のためにマンションが傾いたという事件が盛んに報道されています。杭が強固な地盤に到達していなければ、大きな問題が発生することを担当者は認識していなかったのでしょうか? 杭打ち工事のプロとしての知識の問題か、それとも知っていながら敢えて手抜きをしたのでしょうか? もし、充分な知識を持っていたら、手抜き工事がいずれはばれてしまうと予測できなかったのでしょうか? 今、その担当者はどの様な気持ちで事態を見守っているのでしょうか? 多くの工事現場を見てきた一人として思うことは、今後この様な事件が起こらず、惨めな工事担当者が出ないことを祈ります。そのためにも、建設工事に関わる組織は安全管理を根本から見直すことが求められていると思います。安全は管理者の責任です。

 

2015年10月10日

今年は北海道でも台風による被害が発生しています。10月4日にNHKで放送されたメガディザスターを見ていても、日本列島がこれから自然災害を受ける可能性は高まっている様に感じられます。安全は化学プロセスだけに必要なものではありません。自分の住んでいる環境を再度確認してみる必要を感じて考えてみました。私の住む場所は高台で、マンション購入時にはボーリングデータも閲覧して地盤が強固であるかを確認しました。その為、水害の可能性はかなり低く、地震にもある程度の強さを持っていると判断しています。あの3.11東日本大震災の際も大きな被害を受けずに済みました。一方、周辺に高いビルなどが殆どなく、竜巻の直撃を受けると被害を免れないと思います。確率はそれほど高くはないと思いますが、可能性はゼロではありません。いざという時には、我が家の場合は玄関に逃げるのが最も安全だと考え、妻と話し合っています。皆さんも一度自分の住まいの安全性を評価してみては如何でしょうか?

 

2015年9月11日

台風18号の影響で関東、東北に激しい雨が降り続き、茨城県常総市などで堤防が決壊して大きな被害を出しています。被害者の方たちにはお気の毒に思いますが、多くの方たちが堤防決壊を想像だにしていなかったのは、残念だったと感じています。自分の住んでいる場所がどの様なリスクを抱えているかを考えておくことは、化学プラント建設前にプロセスハザード分析をするのと同様に大切なことです。化学プラントのための知恵であるPSM(Process Safety Management)をより多くの方たちが知って、個人の生活の役に立てることも大切だと痛感した事態でした。PSMでは、リスクを分析したら、その対策を講ずることを求めています。そして、万一そのハザードが牙を剥いたらどの様に行動するべきかも考えておき、場合によっては行動の訓練を行うことも奨励しています。自分や家族にとって何がリスクになり得るかを一度真剣に考えてみませんか? 堤防などの防御施設は機能を喪失する可能性をゼロにすることはできません。形あるものはいつか必ず壊れるものです。

 

2015年8月24日

相模原の米軍基地での爆発事故に続いて、日鉄住金鋼管川崎で大規模な火災事故が発生しました。いずれの事故も死傷者を出していないとのことです。米軍基地での火災では、保管品に水を掛けると危険な物質があるかもしれないので放水が出来ない状態だとの報道がありました。まず、火災を引き起こさないことが重要ですが、万一起きてしまったらどうするべきかが分かっていたから人身事故に発展しなかったと考えるべきでしょう。それに引き換え、天津の爆発事故では水を掛けてはいけない物質に水を掛けて爆発を誘発したような報道がされています。PSMの一項目、Emergency Responce (緊急時対応)が実施されていたか、いなかったかの違いと思われます。

 

2015年8月19日

中国の天津で発生した爆発事故では多くの犠牲者を出しています。これだけ大きな爆発事故だと最初の火災発生時の物的証拠が破壊されて本当の原因分析を行うことが困難だろうと想像しています。今回の事故を考えると何故これほどの爆発を起こすだけの化学物質が保管されていたのかが気になる点です。中国政府は責任者の法令違反などを理由に逮捕したと聞きますが、誰か個人に責任を負わせて一件落着としたなら、同様な事故は再発防止できません。PSM(Process Safety Management)のCA(Consequence Analysis) を実施して、LOPA(Layer of Protection Analysis)に基づく対策を講じていれば起こらなかった事故だということは、福島第一原発の事故のケースと同様です。日本もPSMに真剣に取り組み必要があると再確認させられた事故でした。

 

2015年7月31日

7月28日に調布飛行場を離陸した小型機が墜落した事故では、色々なことが判ってきました。最初に私が考えたことは、この事故をFTAで展開することで何が出て来るかでした。飛行機は勝手に飛んだりしませんので、「飛行機が墜落した」は「操縦士が飛行機を墜落させた」という人の行動のエラーとしてとらえることが出来ます。付近のサッカーグラウンドからの映像と証言から、操縦士は意図したとおりに操縦できなかった、即ち「実行」段階のエラーだったと考えられます。そして、それは「操縦していた飛行機が故障していたから」と説明できます。ここで、考える必要があるのは「操縦していた飛行機が故障した」のか「故障した飛行機を離陸させた」の二つの選択肢が現れることです。飛行機は空中を飛んでいるだけで、高い運動エネルギーと位置エネルギーを持つことになり、リスクレベルが上がりますが、通常は事故になるレベルにならない様にコントロールされています。また、飛行機は飛んでいなければ故障していても事故にはなりません。二つのリスクを上げる要因が重なったことで、事故に繋がるリスクレベルに上がったと考えます。ここで、重要なことは二つの要因のどちらが先だったのかにより、事故調査の方向性が大きく変わることです。これから先、事故調査がどの様に進むのか、慎重に見て行きたいと思います。

 

2015年7月25日

先日、2005年10月6日に米国テキサス州 Point Comfort の Formosa Plastics Corporation で発生した爆発火災事故についてCSB(Chemical Safety Board)の作成したCASE STUDYをレビューしました。事故の最終報告書ではないので、調査の途中のものかと思いますが、事故の引き金を引いてしまったフォークリフトの運転者が何故その様なことをしてしまったかの記述が見当たりません。これは、自分でこの事故のFTAを作成してみて気付いたことです。他にも、怪我をした従業員からの情報が無い様に思いました。文章だけを見ていると完璧に思えるようなレポートもFTAを作成してみることで、何が不足しているかが判ると言いますが、これは正にその典型だと感じました。皆さんにも事故やヒヤリハットを分析する際に、是非FTAを活用して頂きたいと感じた瞬間でした。

 

2015年6月24日

先日、NHKで放送された映画「クライマーズハイ」をビデオで見ました。日航のジャンボ機が御巣鷹山に墜落した事故を背景にしたフィクションですが、驚いたのはこの映画の制作時、2008年に未だ真の原因究明はされていないとの字幕でした。私たちは報道から得た情報、即ち圧力隔壁の破損が原因だと信じていたのではないでしょうか? 一旦、事故が発生してしまうと全ては過去の出来事になります。そして我々が原因を究明しようとしても証明する術がないことがあります。FTAでは全ての事実が明らかになれば、ORが無くなるのですが、事実が分からない場合はORを残して、あらゆる可能性に対処する必要があります。この様に大きな事故の場合、証拠品の損壊程度が著しく、原因究明が困難になる可能性が高くなります。人が犠牲になる前に、事故の芽を摘むことが大切です。そのためには、小さな出来事でも事故に繋がる可能性があったら、分析して対策を講じることが必要です。

 

2015年6月8日

化学工学会SCE・Netの安全研究会では、毎月AIChE(米国の化学工学会)のCCPS(Center for Chemical Process SAfety)が発行しているPSB(Process Safety Beacon)を翻訳して、CCPSに和訳を提供しています。また、PSBの話題を元に化学会社のOBを中心としたメンバーが経験や知見を述べて、「談話室」として「化学装置誌」に掲載しています。化学プラントの運転や保守に関わる人はもちろん、その他の製造現場で働いている多くの方たちに安全について考える良いきっかけとなっています。これからも、多くの方々に活用して頂ければと思います。「事例に学ぶ化学プロセス安全」は2006年4月号から2014年1月号のPSBをまとめた本で、現場での安全教育に利用しやすい様に工夫されています。

 

2015年5月20日

18日の日刊工業新聞にAIChE CCPS と化学工学会SCE-Net安全研究会が共著で発行した「事例に学ぶ化学プロセス安全」が紹介されました。

残念なことに日米とも「化学工学会」を間違って「化学工業会」と紹介されていました。

しかし、この本の内容が化学プロセスを扱っている皆さんや安全管理をされている方たちにとって役立つことに変わりありません。

多くの方たちの目に止まり、現場の安全向上に役立てて頂けることを願っております。

 

2015年 5月12日

人の行動が成功するには「認知」「判断」「伝達」「実行」の全てに成功する必要があります。最初の「認知」に成功しなければ、後の「判断」「伝達」「実行」に至る前にエラーとなってしまいます。最近、認知感覚の一つ「嗅覚」について調べてみました。人は約400種類の嗅覚受容体遺伝子を持っているそうです。問題は遺伝的に嗅覚に障害のある場合があるということです。私たちは匂いでガス漏れに気付くように、匂いで危険を察知することが出来ますが、それに気付かなければ危険にさらされることになります。もし、化学プラントなどで危険な物質の漏洩に気付くのが遅れれば、対処に遅れをとることになります。色盲は三種類の色の識別だけの問題ですが、嗅盲の種類は多く、また検査も行われていないのが実態です。猛毒として知られているシアン化水素はアーモンド臭がするとされていますが、10人に一人はその匂いを感じることが出来ないそうです。危険な化学物質を扱うプラントではオペレータの採用時に、特定の匂いに対する嗅盲検査をするべきではないかと考えます。


2015年 4月16日

人の行動は「認知」「判断」「伝達」「実行」が全て成功した時に、成功行動となることは当研究所が常々お伝えしていることですが、「認知」から「伝達」まで、特に「判断」は脳の働きによることが大です。以前より脳の働きが判断に与える影響について興味を持って研究していますが、このところ「マインドフルネス」という言葉が盛んに聞かれるようになっています。昨日も、NHKの朝の番組で「ぼんやりパワー」として「マインドフルネス」の紹介をしていました。「マインドフルネス」が安全向上に役立つ可能性があるのではないかと思っています。


2015年 3月20日

「事例に学ぶ 化学プロセス安全 ――Beaconの教訓と事故防止の知恵」が丸善出版より刊行されました。

この本は化学工学会SCE・Netの安全研究会のメンバーがAIChE CCPSが発行しているPSB(Process Safety Beacon)をベースに日本の工場の現場で働く方たちの安全向上に役立てることを目的として記したものです。私もその執筆者に加えさせて頂きました。世界で起きている様々な事故事例をベースに事故の概要、要因、事故防止対策、類似した国内事例などを紹介しています。現場の皆さんが自分の職場の安全を向上させるために役立つ情報が豊富に提供されています。是非、活用して頂きたいと思います。


2015年 3月 9日

このところ、13歳の少年が18歳の少年に殺害された事件が大きく報道されています。また、少し前には大学生が老婆を「人を殺してみたかった」という理由で殺害した報道もありました。ここで、気になるのは加害者は社会のルールの中でエラー行動をしたと言えますが、それは認知、伝達、実行のエラーではなく、判断のエラーだったことです。少年や少女が社会秩序に反した判断をしてしまった背景に何があるのか、正しい判断基準を持たせることのできなかった我々大人にどの様な問題があるのか。これらは、イスラム国に心を寄せてしまう人たちにも通じる様な気がしています。私たちは「心の豊かさ」を何処かに置き去りにしてしまったのではないでしょうか。


2015年 2月 1日

今朝、イスラム国に捕らわれていた後藤健二さんが殺害された様であるとの報道がありました。本当であれば、大変悲しいことです。そして、彼らがこれから日本人も標的にするとのメッセージを伝えてきたことも気になります。イスラム国の様な組織を産んでしまったことは人類の最大の失敗の一つかも知れません。平和で安全な社会を作るには、心の豊かさを追求する必要がある様に感じています。それは、決して暴力で応酬することではないと思います。お金の豊かさは他人に渡せば自分の持ち分が減ってしまいますが、心の豊かさは他人に分かつことで更に増すことでしょう。


2015年 1月 20日

安全な社会を目指す当研究所として、最近のイスラム過激派と称する人たちの引き起こした事件、また、それに対抗しようとする勢力とのぶつかり合いには心を痛めております。

なぜイスラム過激派の人たちはテロを引き起こすのか? 一部、強要されてテロを起こしたり、未遂に終わった例はあるようですが、多くの場合、彼らは自爆を前提として行為に及んでいると考えられます。即ち、彼らはこの行為を行うことで自らを死に追いやることを知っていて、それでも実行しようと判断したことになります。正しい判断の条件として、私は「意思」「知識」「冷静」の三つが必要と考えていますが、彼らには「安全を大切にしよう」という意思ではなく、「憎しみ」が支配しているのではないかと思います。もしそうであれば、私たちは彼らの「憎しみ」がどこから生じたものであるかを突き止めて、それに対する処置を講ずる必要があるでしょう。もしかすると、私たちは資本主義社会にどっぷりと浸かって、「神」の代わりに「金」を崇拝する様になってしまったのかも知れません。彼らの目に、我々が「金を崇拝する邪悪な宗教に染まった連中」と映っていると考えると説明がつくように思われます。


 

2015年 1月 1日

新年、あけましておめでとうございます。

昨年は、当研究所の設立、産業環境管理協会主催のリフレッシュ研修でのFTA講習、工業通信の「化学装置」への寄稿など、化学工学会他、多くの皆様のご支援を頂いて順調な一年でした。

今年は、4月に日本テクノセンターで信頼性と安全管理のためのFTA、6月に化学工学会の化学工学基礎講座で蒸留の講義、9月以降は埼玉工業大学で化学工学の授業を担当させて頂くことが決まっており、また、4月以降は化学工学会SCE・Net安全研究会の幹事を務めさせて頂く予定です。昨年以上に忙しい年になると予感しております。

本年も皆様のご指導、ご鞭撻を宜しくお願い致します。


2014年

2014年 12月 1日

人の行動エラーは「認知」「判断」「伝達」「実行」のどこかで失敗することで発生すると説明しています。しかし、最近の研究で時として人は大脳での「判断」を省略して行動することに気付きました。目は確かに状況を見ているが、大脳で「さて、どうしよう?」などとは考えずに行動することです。私たちは人ごみを歩いていても殆ど考えずに他の人の動線を予測して自分の動線を決めています。たまに考えすぎて、正面から来る人と同じ側に避けようとして互いに動けなくなります。「さて、この人はどちらに避けるだろうか?」と大脳で考えているうちに時間が無くなってしまうのです。この様な「判断」は通常は大脳では無く、脳幹の部分で行っている様です。大変興味深い分野だと思います。


2014年 11月 22日

最近の化学感覚の研究によると、視覚や聴覚と異なり化学感覚である味覚や嗅覚の情報は脳の偏桃体や視床下部など辺縁系にいち早く情報が入るので、情動の変化や本能的な行動を起こしやすいとのことです。即ち、大脳でじっくりと考える暇なく行動に移る可能性が高いということです。女性が付ける香水の香りに、つい心が揺らぐ男性の心は、この情動によるものだと説明できそうです。その意味で、魅力的な男性の気を引く目的で香水を利用したり、手料理でもてなす女性の行動は理に適った行動だと言えるでしょう。


2014年 11月 2日

人が行動でエラーを起こしてしまった時、私はFTAでは「認知」「判断」「伝達」「実行」のどの場面で失敗してしまったかを分析することを推奨しています。人は異常に気付いた時に、必ずしも自分の知識や意識に基づいて「判断」していないことがあります。それはパニック状態に陥ったケースなどが相当します。振り込め詐欺の犯人はこの人間の弱点を上手く利用していると言えます。最近の脳科学の研究によると大脳の前頭前野における「判断」思考をバイパスして「直感」による判断をすることがあるとのことです。ヒューマンエラーの一言で代表されてきたことに科学のメスが入り始めた様です。大変、興味深いことだと感じています。


 2014年 10月 20日

平成26年度 産業環境管理協会主催の公害防止管理者等リフレッシュ研修で講師を担当させて頂き、

札幌、大宮、長野、四日市、岡山の各会場でFTAの紹介をさせて頂きました。

これからも事故分析におけるFTAの利用を広めるために活動を続けてまいります。

尚、(株)工業通信社の「化学装置」12月号に「製油所(化学工場)での安全確保・実現のためのFTA利用術」と題して寄稿を予定しております。主として保全担当者を対象に事故が起こる前のFTA活用について解説いたします。

 2014年 10月 2日

9月30日よりYahooメールのトラブルがらみで、当研究所のメールが受信できなくなっていましたが、別のメールシステムを使うことで、受信できるようになりました。

御用の方は「研究所概要」に記載のアドレスまたは当ホームページの「お問い合わせ」をご利用ください。

2014年 9月 21日

産業環境管理協会殿主催の「平成26年度 公害防止管理者等リフレッシュ研修」でFTAの解説と演習を担当させて頂いています。これまで、札幌・大宮・長野で研修を行いました。来月は四日市と岡山での研修でFTAの話をさせて頂くことになっています。受講者の方たちは既に公害防止管理者の資格を持っておられる方たちで、インテリジェンスのレベルの高さを感じています。例題解答で私が気付いていなかったアイデアが色々と出てきており、来月の研修も楽しみです。

ところで本日、ホームページの「エラー」に関する解説に含まれる「認知」の機能である「五感」に「時間経過の感覚」を追加しました。私たちは「何か変だぞ」と思う時、時間経過の感覚によっている場合が少なくありません。ただ、この感覚によって異常を感知するにはそれなりの経験や訓練を必要とすると考えています。

2014年 9月  7日

昨日、南極越冬隊に参加された方のお話を伺ってきました。美しいオーロラの映像や基地の中で活躍されている隊員の方たちの写真やビデオを見せて頂き、大変興味深いものでした。

南極の動物たちは天敵を知らないために、好奇心で人に近づいてくるそうです。南極では野生動物に5メートル以内に近づいてはならないと云う決まりがあるそうで、気が付いたらすぐそこにペンギンが来ていたりして、気を付けなければならないとのことです。アザラシなども人を警戒しないそうです。

この美しい地球を我々人類が自分たちの欲望を満たすために破壊してしまうことは是非とも避けたいと思いました。広島での土砂災害を含め、世界で発生している多くの自然災害は地球温暖化が原因だと言われています。人間の暴走に対して自然の摂理がバランスを取ろうとしているのではないかと考えさせられます。

今、我々は自然災害の原因に気付いたのですから正しい判断をしなければならない時期に来ています。地球規模で正しく判断してルールを決めて、それを具現化しなければならないのですが、前途多難な様です。


2014年 8月  12日

米国の化学工学会に相当するAIChE(American Institute of Chemical Engineers)が発行する月刊誌CEP(Chemcal Engineering Progress)の7月号に「見えないゴリラ」(Invisible Gorilla)というものが出てきます。白いTシャツのチームと黒いTシャツのチームが入り乱れてバスケットボールをパスする画面を見て、白のチームが何回パスをするかを数えて下さい、というビデオです。この中にゴリラの着ぐるみを着た人が入ってくるのですが、半数の人はこれに気付かないとのことです。人間は一つのことをしていると他のことに気付かなくなる傾向があることを証明しています。気付かなければ「認知」できないのですから、「判断」「伝達」「実行」に繋がらないのは当然のことです。何かに集中している場合でも気付くように、プラントではアラームを出したりしますが、何でもアラームを出したのでは効果がなくなります。

興味のある方は"the invisible gorilla"で検索してみてください。

 

2014年 7月  31日

安全な社会の為にお役に立ちたいと願っている当研究所としては、昨今の脱法ドラッグによる悲惨な事故に心を痛めています。脱法ドラッグを危険ドラッグと呼び換えても、根本的な解決には繋がらないと思います。この様な危険な薬物を売っている人達は、自分が儲かれば他人がどれ程不幸になっても構わないと思っているのでしょう。危険な薬物が世に出る度に、指定薬物にして取り締まる方法が実質的に効果を上げていないことは誰の目にも明らかです。この事実を認知していながら有効な対策を打ち出すことが出来ないのは、この国の判断力に弱点があることを証明しています。早急に抜本的なルール作りが望まれます。一方、我々国民は危険な薬物で身を滅ぼさない様に行動しなければなりません。何が危険な薬物かを認知し、その誘惑に負けない判断、身の回りの人たちにもそれを知らせ、危険薬物を決して使用しないさせないという一連の行動は「認知」「判断」「伝達」「実行」の何処にもエラーを起こさないことで到達できるものです。

 

2014年 7月  15日

このホームページでは人の行動の失敗を「認知」「判断」「伝達」「実行」のどこかで失敗した時にエラーが起こると説明しています。これは安全管理システムが旨く回っていく時も同じで、この四つのフェーズが全てが成功していることが安全管理システムの成功の証となります。OSHAのPSM(Process Safety Management)も、その14のエレメントが、この四つのフェーズのどれかに当てはまります。

 1) Process Safety Information 認知(プロセス安全の情報を知らなければ安全かどうか判断できない)
 2) Process Hazard Analysis 判断(プロセスの潜在的危険を分析してどうすべきか判断する)
 3) Operating Procedures 伝達(どうすれば安全かを従業員に知らせる手段)
 4) Employee Participation 実行(やるべきことが決まっているなら、従業員のやる気次第である)
 5) Training 伝達(安全に実行できるスキルを体得させる手段)
 6) Contractors 伝達(協力会社に安全管理システムを知らせ、守らせる)
 7) Pre-Startup Safety Review 伝達(設計された安全が本当にプラントに適用されたかを確認)
 8) Mechanical Integrity 実行(設計された安全が、その機能を維持すること)
 9) Hot Work Permit 判断(火気使用作業が事故に繋がらないかを判断)
10) Management of Change 判断(変更が事故の原因とならないかを判断)
11) Incident Investigation 認知(事故の原因を知り、再発防止に繋げる)
12) Emergency Planning and Response 伝達(関係者に緊急時のとるべき行動を知らせる)
13) Compliance Audits 認知(安全管理システムを監査し、弱点を補強する)
14) Trade Secrets 認知(機密事項でも安全に関わる情報は関係者に認知させる必要がある)

もし事故が発生したのであれば、これら14のエレメントの何処かでエラーが発生したと言えるでしょう。

 

2014年 7月  1日

現在、化学工学会SCE・Net 安全研究会では毎月CCPSのPSBを翻訳して、談話室での会話を公表していますが、今までのPSBをベースに化学工場や石油精製の分野で活躍されている皆さんに役立つような図書を出版しようと活動しています。安全研究会のほぼ全員が分担して主筆し、現在は原稿の査読を行っているところです。

CCPSはCenter for Chemical Process Safety という米国の化学工学会(AIChE: American Institute of Chemical Engineers)のTechnological community に属する組織で、PSM(Process Safety Management) の啓蒙活動の一つとして毎月PSB(Process Safety Beacon)を発行しています。

安全研究会の活動はCCPSが世界に広めようとしているPSMを日本に紹介すると共に、PSBの日本における活用方法の探求という形で議論を重ね、日本の化学業界の安全向上に寄与するものです。企業の安全活動に興味を持たれている方は、是非PSBの翻訳と安全談話室をご覧ください。毎月、株式会社工業通信発行の「化学装置」に掲載されています。

2014年 6月  1日

研究所として最初の外部からの委託業務が一段落して、研究活動に戻りました。

現在、別のクライアントからの依頼を受けて、FTAを環境事故に適用する事例を作成しています。

大規模な環境事故はその殆どがプロセス安全事故だと言えます。有名な事故として、ボパール事故(1984年)、チェルノブイリ原発事故(1986年)、バーゼル事故(1986年)、パイパー・アルファ事故(1988年)、吉林事故(2005年)、などがありますが、何れもプロセス安全が充分に実施されなかった為に発生し、環境に大きな被害をもたらしたものでした。PSM(プロセス安全マネージメント)で扱う事故は「火災」「漏洩」「爆発」が主なものです。「漏洩」はボパール事故の様に有害物質が環境に漏れ出すことで被害を発生させることですが、「火災」「爆発」もその結果として環境に大きな影響を及ぼしています。PSMでは安全システム構築の際に、CA(consequence analysis)と呼ばれる最悪事態の想定を行うことが求められています。そしてLOPA(Layer of protection analysis)によって有効な防護策が用意されているかを検討します。この場合は事故に対するFTAではなく、想定される事態に対するFTAが必要になります。FTAを活用する重要な場面だと言えます。

2014年 5月  13日

自宅オフィスのリフォームや転居、研究所として最初の仕事に追われて、ホームページの更新が疎かになっていました。この間に色々な事故が報道され気になっていました。

国内では、メンテナンスの為に熱交換器のヘッド部分を外したら爆発してしまったという事故もありました。報道によると立っていてはならない場所に立っていて、死亡した方がいらっしゃるとのことでしたが、問題は何故そこに立っていたのかということです。本当に立っていてはならないと知っていたのでしょうか? 知っていたとして、立ち入り禁止の措置はしてあったのでしょうか? ロープなどでエリアを区切っていたのでしょうか? と、色々な疑問が湧いてきます。事故報告書が出されれば、それらのことは書いてあるかもしれませんが、本当のところは被災者しか知らないとも考えられます。被災者が死亡するということは事故調査において重要な証言を失うことです。被災者が何を考え、どのように行動していたのか、真相が判らないまま終わってしまうことは残念です。

海外の事故では、韓国の貨客船の沈没事故が印象的です。こちらも未だ事故調査の過程でしょうが、安全に配慮した行動システムが欠落していたのではないかと思います。この様な事態では、自分で自分の身を守ることも考える必要があります。私の所属していた会社では、ホテルに宿泊する場合は避難経路を確認することを社員に求めていました。団体行動では万一の場合の避難行動を事前に参加者全員に周知しておくことも必要だと感じます。

2014年 2月  25日

明日から自宅のリフォーム工事を行い、事務所を設置する準備を進める予定となっております。2月10日付で正式に開業しましたので、いよいよ「事故分析・コミュニケーション研究所」としての活動を活発に進めて行きたいと考えております。

皆様のご指導、ご鞭撻を頂きたく、お願い申しあげます。

2014年 1月 25日

1月9日に三菱マテリアルの四日市市工場で爆発事故があって既に2週間が経過しました。この事故の報道を見聞きしていると極めて不可解なことが多いと感じられます。長時間、窒素でパージしていたというのに何故爆発したのか? 何が着火原因だったのであろうか? 死亡した5名の作業者たちは皆、立ってはいけない危険な場所に立っていたというのは本当か?

通常、火災発生の条件は「燃えるものの存在」「酸素の存在」「着火源の存在」の三つですが、爆発の場合はこれらに「爆発混合比にあること」と「閉鎖空間であること」の二つが加わります。これら五つが揃わないと爆発は起こらないのですが、FTAに展開する際にはこれら全てが「爆発」の下にANDで繋がる必要があります。

また、爆発しても安全な場所に立っていれば死ななくても良かった筈ですが、爆発の可能性について認知していたのか? していたとして何故危険な場所に立っていたのか? 等の疑問に答えられる様に慎重に事故調査が行われて、その教訓が同業他社も含めて水平展開されることを期待しています。

2013年

2013年 12月 28日

最近、粉塵爆発について調査をする機会があり、2003年1月29日に米国ノースカロライナ州キンストンの West Pharmaceutical Services, Inc., と謂う医薬品会社のプラントで発生した事故調査書に目を通しました。この事故で6名が死亡、消防士2名を含み38名以上が負傷したとのことです。

この事故で特徴的なことは、事故の規模もさることながら、事故の可能性について誰も知らなかったということです。CSB(U.S. Chemical Safety and Hazard Investigation Board)の事故報告書によればゴム板に塗布していた粘着防止剤のポリエチレン粉が表面乾燥工程で空中に飛散していたが、目に見えるほどではなかった。しかし、それが長年にわたり天井裏に堆積して、その装置の近傍で発生した小さな粉塵爆発により舞い上がり、大爆発につながったとのことです。

つまり、危険に対する「認知」がなかったということですが、それでは誰も手を打つことができません。誰かが粉塵爆発の危険について知識を持っていて危険性の有無を検討しなければ防止出来ない事故ということです。

CSBによれば粉塵は1mm以上堆積していると爆発する危険が高いそうです。清掃は普段見えない所も気を付けて行う必要がありそうです。

2013年 11月 18日

15日に野田市廃油再生工場「エバークリーン千葉リサイクルセンター」で発生した爆発事故について、「取引先から回収した廃油について社員2名はガソリンの様な臭いに気付いていたが、そのまま回収し、工場の検品担当者もチェック不十分であった」との報道がありました。この事故でも危険な状態を「認知」していながら適切な行動を起こさなかった「不作為のエラー」が見て取れます。また、報道はされていませんが回収を依頼した側も通常の潤滑油の廃油ではないことを知っていた筈です。コミュニケーションにおける「不作為のエラー」があったものと想像されます。誰かが適切な行動を取っていれば防ぐことのできた事故だと考えられます。

2013年 10月 29日

不安全状態の維持が事故の要因の一つになっていることは前回のメッセージでも触れたことですが、不安全状態を是正しなかったという「不作為のエラー」について思いを巡らせると、自分自身がこのエラーに陥っていることに気付かされます。身の回りの不安全状態を是正できていないこともそうですし、地球温暖化の問題もそうです。このままでは悪い結果が待ち受けていると感じながら行動を起こさないのは、「それが近い将来ではないだろう」と甘い考えを持ってしまうからではないでしょうか。

2013年 10月 7日

事故を分析していくと多くの場合、不安全状態の維持が事故の要因の一つになっていることは本ホームページでも説明している通りです。しかし、最近のニュースでは立派な筈の大企業の不祥事が報告されることが少なくありません。関係者の数が多ければ、好ましくない状態の存在に気が付いていた人は多い筈だと思います。また、社員や関係会社の人たちには好ましくない状態を是正するべきだと上位の人に進言した人もいたかもしれません。しかし、それに耳を貸す経営者がいなかったのか、意見が途中で抹殺されたのか、事故が起きたり報道されて初めて対応するのでは情けないことだと思います。組織として真剣に取り組んでいないと言われても仕方がありません。

 2013年 9月 20日

書店でたまたま松元雅和氏の「平和主義とは何か」という本に出会いました。絶対平和主義、平和優先主義、義務論、帰結主義、正戦論、現実主義、人道介入主義、それぞれの立場で戦争と平和についての考察を加えた内容で、日頃、平和論について深く考えることのなかった小生には自分の考えを整理する上で大変役に立つ内容でした。我々国民はいずれ憲法改正について自らの考えを求められるかもしれません。その時に、一時の感情に流されることなく冷静に判断できることが、この国のエラー防止に役立つに相違ありません。

2013年 9月 7日

今週は日本列島を集中豪雨や竜巻が襲い多くの被害が発生しました。事故分析では一般に天候に係わることは追及しないものです。しかし今回は地球温暖化による海水温度の上昇が異常気象の原因と言われています。この因果関係が正しいとすれば、地球温暖化が危険な状態の維持を意味するもので、これを阻止することが我々人類の責務ということになります。各国が判断の基準を損得に置いていてはコンセンサスを得ることは困難だと感じています。

2013年 8月 26日

このところ福島第一原発での汚染水漏洩事故に関する報道が盛んになっています。当初、120リットルの漏洩と言っていたのが突然300立方メートルになったと言って騒いでいますが、一番の問題は「点検はしていたけど、記録は取っていなかった」と言う担当者の説明です。これでは汚染水の漏洩は管理していなかったことになります。このような状態が続いていたことは極めて残念なことですが、現場にはこれが宜しくないと気付いていながら是正に向けて行動しなかった人たちが少なくないと想像します。この状況から懸念されるのは「福島第一原発で仕事をしている一人一人が自らの命を守るのが精一杯で正しい行動をする余力がなくなっているのではないだろうか」ということです。もしそうだとすると、これからもあきれる様な事故が次々と報告されることになりそうで心配です。

2013年 8月 19日

残念ながら福知山市の花火大会の会場での爆発火災事故で死亡された方がお二人になりました。当初の報道とは異なり、プロパンボンベの爆発ではなかった様です。今は発電機を止めずに携帯容器からガソリンを給油しようとしていたことと携帯容器の圧力抜きをしなかったことが事故原因の様に報道されていますが、安全管理システムへの言及は少ないように思います。携帯容器の圧抜きが重要であることを作業者が認識していたのか、いなかったのかが気になります。また、誰でも携帯容器を購入できることに問題はないのでしょうか?

2013年 8月 16日

昨日、京都の福知山市で予定されていた花火大会の会場で屋台のボンベが爆発して多くの方が負傷されました。朝日新聞デジタルの記事によると「屋台で使う発電機に燃料のガソリンを入れようとした際に出火。火が近くのガスボンベに燃え移り、爆発が起きた」ということの様です。これは事故の連鎖の典型的なもので発電機への給油での出火がなければボンベの爆発はなかった訳です。この一つ目の事故を起こさないことが重要であると同時に、火災の可能性のある場所にプロパンガスのボンベが置いてあったという「好ましくない状態の維持」にも着目する必要があると考えます。

2013年 8月 9日

昨日、福島県南会津郡下郷町にある景勝地、「塔のへつり」を訪れました。木橋の両岸には「この木橋は荷重制限がありますので、一度に30人以上が乗らない様にご協力ください」と言う内容のメッセージがありますが、果たして何人の人がそのメッセージを確認して木橋を渡っているのだろうかと気になりました。確かにハッキリと大きな字で書かれていますが、それに注意を払わなければ認知はされないでしょう。改めて、認知させることの難しさを考えさせる一件でした。

2013年 8月 1日

昨日、NHKの「ためしてガッテン」で緑内障の人は視野に欠落があるのに本人はそのことに気付いていないことが多いと聞きました。何んと緑内障の人の90%が自分の病気に気付いていないそうです。視野に欠落があると「そこに在る物が見えていない」という状態になるため、認知のエラーを起こしやすいのですが、「自分はそそっかしい」と思い込んでいる人も少なくないようです。危険な作業や人の命を預かる作業をする方は、自分が緑内障でないことを健康診断などで確認しておくことが大切です。

2013年 7月26日

スペインでの列車事故について色々と情報が出てきました。制限速度80Km/hのところを190Km/hで走行して急カーブを曲がり切れなかったというのはJR西日本福知山線の事故と良く似ています。もし、スペインの鉄道会社が福知山線の事故を真剣に検討して事故防止に努めていたらこの事故はなかったのかもしれないと思います。

その意味で、他者の事故も自らのものとして分析検討して事故防止に努めることはお客様の命を預かる全てのビジネスでは必須だと思います。

皆さんは、どう思われるでしょうか?

 

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