当研究所では事故の分析方法としてFTA(Fault Tree Analysis)をとりあげ、様々な事故の分析をしています。そして、分析結果から何をすれば同じ事故が繰り返されないのかを考えています。また、事故が繰り返されないために必要なコミュニケーションについても研究しています。
事故分析や再発防止でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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4月3日
CCPSのメトリクスに関する資料の翻訳がSCE・Netの安全研究会のホームページにも掲載されました。メトリクスの先行指標と遅行指標について混乱があるようですので、少し説明致します。遅行指標は起きてしまった事故に関する指標で、先行指標はこれから起こるかも知れない事故に対する指標であることは誰もが認めることです。混乱はニアミスを含め、小さな事故の指標です。これらは、小さな事故が発生したことをカウントしていますので、小事故に対しては「遅行指標」です。しかし、ハインリッヒの法則が示す様に小さな事故は大きな事故の予兆ですので、小さな事故の増加は大きな事故の「先行指標」でもあります。CCPSのメトリクスでは、Tier 1からTier 4までの4段階に区分していますが、一番上のTier 1 だけが純粋な遅行指標で、Tier 4 だけが純粋な先行指標です。Tier 2とTier 3は遅行指標であると同時に上の階層の事故の先行指標となっています。尚、API RP 754 の改定に伴い、この4段階の区分の方法が変わり、従来はTier 1事故だけに報告義務がありましたが、Tier 2にも報告義務が生じています。勿論、これは米国内での話です。
2018年12月7日
CCPSが2016年に発行した"Introduction to Chemical Process Safety for Undergraduates and Engineers"の翻訳を安全研究会で取り組んでまいりました。この12月25日にこの翻訳本「若い技術者のためのプロセス安全入門」が丸善出版から出版されることになりました。米国ではOSHA PSM(Process Safety Management)が法制化されていてプロセス安全に取り組むことは化学会社にとっては常識になっています。CCPS(Center for Chemical Process Safetry)がこのOSHA PSMを発展させ、行動レベルで解説したものがRBPS(Risk Based Process Safety) ですが、この本はそのRBPSを分かり易く解説した入門書です。
実際の事故事例を説明してRBPSのエレメントのどの部分に欠陥があったために生じた事故だったかを解説したり、化学会社に入社すると若い技術者はどの様にプロセス安全に関わっていくのかなど、米国の化学会社のプロセス安全に対する取り組みも垣間見ることも出来ます。
原書は1万円以上する本ですが、「若い技術者のためのプロセス安全入門」は定価4800円(税抜き)です。
書店で手にとってご覧頂ければ幸いです。
2017年9月15日
9月12日の 4th CCPS Global Summit for Process Safety at Okayama に参加して、CSBのboard member の一人の方に話を聞くことが出来ました。トランプ大統領はCSBの予算をカットする提案を出しましたが、Congress がこれを認めず、CSBの予算は確保できたとのことでした。従いまして、CSB議長からの声明は削除致しました。
4th CCPS Global Summit on Process Safety にて
2019年10月15日 AIChE より Five Years Member の Certificate を頂きました。
CCPSが毎月発行しているProcess Safety Beacon を化学工学会SCE-Net安全研究会で和訳していますが、CCPSから感謝状と記念の盾を頂きました。
2015年3月、「事例に学ぶ 化学プロセス安全 ――Beaconの教訓と事故防止の知恵」が丸善出版より刊行されました。
この本は化学工学会SCE・Netの安全研究会のメンバーがAIChE CCPSが発行しているPSB(Process Safety Beacon)をベースに日本の工場の現場で働く方たちの安全向上に役立てることを目的として記したものです。私もその執筆者に加えさせて頂きました。世界で起きている様々な事故事例をベースに事故の概要、要因、事故防止対策、類似した国内事例などを紹介しています。現場の皆さんが自分の職場の安全を向上させるために役立つ情報が豊富に提供されています。是非、活用して頂きたいと思います。