当研究所では事故の分析方法としてFTA(Fault Tree Analysis)をとりあげ、様々な事故の分析をしています。そして、分析結果から何をすれば同じ事故が繰り返されないのかを考えています。また、事故が繰り返されないために必要なコミュニケーションについても研究しています。
事故分析や再発防止でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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5月19日
3月23日に発生した知床遊覧船の事故で、漸く飽和潜水による調査が始まろうとしています。プロセス安全では火災・漏洩・爆発など、従業員や周辺住民の命を守ることが第一の目的になっています。遊覧船を含む交通関連の事業でも乗客・乗員および通行人の安全を守るために、リスクを徹底的に評価して、その対策が充分であるか否かを確認した上で、対策を講ずることが大切です。また、不幸にして事故になってしまった場合にも被害を最小に止める方策も必要です。今回の遊覧船の事故では行方不明の方が多く出ていますが、もし救命胴衣に発信機が付いていたら早期に発見することが可能だったと思います。人の命を預かる企業の経営者の方達には、化学プラントのプロセス安全の考え方を参考に、しっかりとした安全管理を実施して頂きたいと思います。
2021年6月19日
CCPSが2018年に発行した"Dealing with Aging Process Facilities and Infrastructure"の翻訳を安全研究会で取り組んでまいりました。この6月30日にこの翻訳本「化学プラントの老朽化 - リスクに基づく設備のほしゃとその評価」が丸善出版から出版されることになりました。
米国ではプロセス設備やインフラ設備の老朽化が問題となっており、リスクに基づく保守のやり方や評価方法が喫緊の課題となっています。
日本は第二次世界大戦で多くの設備が破壊され、米国ほど古いものは殆どありませんが、それでも戦後の設備も50年以上が経過しており、老朽化は問題となっています。生産に直接関わるプロセス設備は安全に直結するので、注意が払われている方ですが、インフラ設備は忘れがちになっています。インフラ設備も含めてプラントの設備の老朽化には適切に対処する必要があります。
この本は、その様なプロセス産業だけでなく、組み立て産業などにも役立つものと考えます。
原書は1万円以上する本ですが、「化学プラントの老朽化」は定価6800円(税抜き)です。
会社の設備の老朽化対策に役立てて頂ければ幸いです。
2018年12月7日
CCPSが2016年に発行した"Introduction to Chemical Process Safety for Undergraduates and Engineers"の翻訳を安全研究会で取り組んでまいりました。この12月25日にこの翻訳本「若い技術者のためのプロセス安全入門」が丸善出版から出版されることになりました。米国ではOSHA PSM(Process Safety Management)が法制化されていてプロセス安全に取り組むことは化学会社にとっては常識になっています。CCPS(Center for Chemical Process Safetry)がこのOSHA PSMを発展させ、行動レベルで解説したものがRBPS(Risk Based Process Safety) ですが、この本はそのRBPSを分かり易く解説した入門書です。
実際の事故事例を説明してRBPSのエレメントのどの部分に欠陥があったために生じた事故だったかを解説したり、化学会社に入社すると若い技術者はどの様にプロセス安全に関わっていくのかなど、米国の化学会社のプロセス安全に対する取り組みも垣間見ることも出来ます。
原書は1万円以上する本ですが、「若い技術者のためのプロセス安全入門」は定価4800円(税抜き)です。
書店で手にとってご覧頂ければ幸いです。
2017年9月15日
9月12日の 4th CCPS Global Summit for Process Safety at Okayama に参加して、CSBのboard member の一人の方に話を聞くことが出来ました。トランプ大統領はCSBの予算をカットする提案を出しましたが、Congress がこれを認めず、CSBの予算は確保できたとのことでした。従いまして、CSB議長からの声明は削除致しました。
4th CCPS Global Summit on Process Safety にて
2019年10月15日 AIChE より Five Years Member の Certificate を頂きました。
CCPSが毎月発行しているProcess Safety Beacon を化学工学会SCE-Net安全研究会で和訳していますが、CCPSから感謝状と記念の盾を頂きました。
2015年3月、「事例に学ぶ 化学プロセス安全 ――Beaconの教訓と事故防止の知恵」が丸善出版より刊行されました。
この本は化学工学会SCE・Netの安全研究会のメンバーがAIChE CCPSが発行しているPSB(Process Safety Beacon)をベースに日本の工場の現場で働く方たちの安全向上に役立てることを目的として記したものです。私もその執筆者に加えさせて頂きました。世界で起きている様々な事故事例をベースに事故の概要、要因、事故防止対策、類似した国内事例などを紹介しています。現場の皆さんが自分の職場の安全を向上させるために役立つ情報が豊富に提供されています。是非、活用して頂きたいと思います。