当研究所では事故の分析方法としてFTA(Fault Tree Analysis)をとりあげ、様々な事故の分析をしています。そして、分析結果から何をすれば同じ事故が繰り返されないのかを考えています。また、事故が繰り返されないために必要なコミュニケーションについても研究しています。
事故分析や再発防止でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
プロセス安全管理導入などの相談も受けております。
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9月15日
今朝、TBSの「がっちりマンデー」という番組で匂いに関するビジネスの紹介がありました。その中にソニーの「におい提示装置」という機械があり、人に色々な匂いを嗅がせることが可能と言うことでした。化学プラントでは様々な化学品を取り扱っており、その中には人体に有害な物質も含まれます。プラントで働く人たちはその匂いを知っていて、それを感じたら漏洩を疑う必要があります。しかし、人の嗅覚受容体は396種類もあり、全てが機能してはいないとのことです。人により同じ匂いを嗅いでも同じには感じていないのです。もし、プラントで働く人がその化学物質に対して嗅盲(特定の匂いを感じない人)であったとすると、万一の場合に危険にさらされることになります。この「におい提示装置」で危険な物質の匂いを疑似的に作って、従業員がそれを感じるかどうか検査できれば、嗅盲の人をその物質の取り扱いエリアから離すことが可能となります。この装置がそのような目的で使えるようになることを期待しています。
2023年11月30日
丸善出版株式会社から「化学プロセスの事故から学ぶ リスクに基づくプロセス安全管理のポイント」が発刊されました。この本は、AIChE CCPS が2020年に発行した"More Incidents That Define Process Safety"の翻訳です。
残念ながら、我々SCE-Net安全研究会が翻訳したものではありませんが、以前経産省のプロジェクトで一緒に仕事をさせて頂いた牧野氏、若倉氏、和田氏が、また岡山産業安全塾でお世話になっている鈴木先生が翻訳に携われたものです。「反応性化学物質および化学反応による事故」「火災事故」「爆発事故」「有害物質漏洩事故」「輸送事故」「石油・化学以外の産業分野での事故」に分類して多くの事故事例が紹介されています。付録の「産業分類別、事故とRBPSエレメントのマトリックス」は事故がどの産業分野のものであったかと、各事故の重要な要因がRBPSのどのエレメントと深い関連があるかを示すマトリックスになっています。産業分野別に注目すべきRBPSエレメントを探してみても良いでしょう。
2022年11月27日
化学工学会 安全部会で取り組んできたプロセス安全の新しい考え方が、「業務に基づく プロセス安全 マネジメント ガイドライン」として化学工業日報社から、この15日に出版されました。東京工業大学名誉教授の仲勇治がリードして、安全部会の有志が集まって作成したものです。私も、第12章の「協力会社管理」の主担当として執筆させて頂きました。欧米のプロセス安全よりもスコープを広げて、サプライチェーンやサイバーセキュリティにも着目してプロセス安全を考えている点で、ユニークな内容となっています。本体価格が10,000円と少し高い本ですが、日本人の考えたプロセス安全ということで、日本の文化に適した内容となっています。是非、参考にして頂きたいと思います。
12月の7日、14日、21日と3日に渡り、出版記念講演がオンラインで実施されます。興味のある方は是非参加をご検討ください。詳細は化学工学会安全部会のホームページをご覧ください。
2021年6月19日
CCPSが2018年に発行した"Dealing with Aging Process Facilities and Infrastructure"の翻訳を安全研究会で取り組んでまいりました。この6月30日にこの翻訳本「化学プラントの老朽化 - リスクに基づく設備の保守とその評価」が丸善出版から出版されることになりました。
米国ではプロセス設備やインフラ設備の老朽化が問題となっており、リスクに基づく保守のやり方や評価方法が喫緊の課題となっています。
日本は第二次世界大戦で多くの設備が破壊され、米国ほど古いものは殆どありませんが、それでも戦後の設備も50年以上が経過しており、老朽化は問題となっています。生産に直接関わるプロセス設備は安全に直結するので、注意が払われている方ですが、インフラ設備は忘れがちになっています。インフラ設備も含めてプラントの設備の老朽化には適切に対処する必要があります。
この本は、その様なプロセス産業だけでなく、組み立て産業などにも役立つものと考えます。
原書は1万円以上する本ですが、「化学プラントの老朽化」は定価6800円(税抜き)です。
会社の設備の老朽化対策に役立てて頂ければ幸いです。
2018年12月7日
CCPSが2016年に発行した"Introduction to Chemical Process Safety for Undergraduates and Engineers"の翻訳を安全研究会で取り組んでまいりました。この12月25日にこの翻訳本「若い技術者のためのプロセス安全入門」が丸善出版から出版されることになりました。米国ではOSHA PSM(Process Safety Management)が法制化されていてプロセス安全に取り組むことは化学会社にとっては常識になっています。CCPS(Center for Chemical Process Safetry)がこのOSHA PSMを発展させ、行動レベルで解説したものがRBPS(Risk Based Process Safety) ですが、この本はそのRBPSを分かり易く解説した入門書です。
実際の事故事例を説明してRBPSのエレメントのどの部分に欠陥があったために生じた事故だったかを解説したり、化学会社に入社すると若い技術者はどの様にプロセス安全に関わっていくのかなど、米国の化学会社のプロセス安全に対する取り組みも垣間見ることも出来ます。
原書は1万円以上する本ですが、「若い技術者のためのプロセス安全入門」は定価4800円(税抜き)です。
書店で手にとってご覧頂ければ幸いです。
2017年9月15日
9月12日の 4th CCPS Global Summit for Process Safety at Okayama に参加して、CSBのboard member の一人の方に話を聞くことが出来ました。トランプ大統領はCSBの予算をカットする提案を出しましたが、Congress がこれを認めず、CSBの予算は確保できたとのことでした。従いまして、CSB議長からの声明は削除致しました。
4th CCPS Global Summit on Process Safety にて
2019年10月15日 AIChE より Five Years Member の Certificate を頂きました。
CCPSが毎月発行しているProcess Safety Beacon を化学工学会SCE-Net安全研究会で和訳していますが、CCPSから感謝状と記念の盾を頂きました。
2015年3月、「事例に学ぶ 化学プロセス安全 ――Beaconの教訓と事故防止の知恵」が丸善出版より刊行されました。
この本は化学工学会SCE・Netの安全研究会のメンバーがAIChE CCPSが発行しているPSB(Process Safety Beacon)をベースに日本の工場の現場で働く方たちの安全向上に役立てることを目的として記したものです。私もその執筆者に加えさせて頂きました。世界で起きている様々な事故事例をベースに事故の概要、要因、事故防止対策、類似した国内事例などを紹介しています。現場の皆さんが自分の職場の安全を向上させるために役立つ情報が豊富に提供されています。是非、活用して頂きたいと思います。